ようこそ KMC学習所のホームページへ 令和3年6月18日更新

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 令和元年末に世界のコロナ危機が始まった。我が国でも、令和2年の始めに感染の拡大が発生し、第一波の波を経験した。当初の日本の波は、欧米で発生した波に比べて日々の新規感染者数も少なく、国民の多くが、比較的簡単に収まるであろうと安堵していた。第一回の緊急事態宣言が発出され、感染状態はある水準まで沈静化できていた。しかし、その後の政府の安易な「GoToトラベル」の推進が影響して、夏頃から年末にかけて、第一波に勝る第二波、第三波が発生し、医療部門が対応に苦慮した。

 令和3年になっても、感染拡大が続き、2月に2回目の緊急事態宣言を発出して、やや減少傾向が見られ、ある水準まで沈静化されてきたが、その後下げ止まり状態が続き、余談を許さない状態が続いた。3月初めに、緊急事態宣言を2週間延長し、3月21日に医療体制が逼迫した状態でなくなったという理由で宣言を解除した。解除2週間後に、再び感染が増加傾向に変わり、関西圏、首都圏を含めて、第4波を警戒しなければならない状態になった。

 関西圏では、従来型のウイルスから英国型の変異ウイルスに置き換わり、変異型のウイルスによって感染が急速に拡大し、重症化率も高くなり、実効再生産数も大きくなった。その後、この変異型の傾向が首都圏にも移動し、変異型の割合の伸びにつれて、新規感染者数も急増し、世代に関係なく重症化率も高くなってきた。4月末に、第3回目の緊急事態宣言が発令され、ゴールデンウィーク明けにやや感染が沈静化する傾向が見えたが、沈静化の減少率が次第に小さくなり、次第に高止まりの状態が続く傾向を示すようになっている。緊急事態宣言は6月20日まで延長された。

 最も懸念すべき現象は、高止まりのレベルが波が増す毎に次第に高くなっていることである。第一波の後は、東京の新規感染者数30人/日、第二波の後は150人/日、第3波の後は254人/日、第4波の後は380人/日前後が予想される。新しい波が過ぎる度に高止まりする傾向が現れ、そのレベルが高くなるのは、変異ウイルスへの置換が波とともに進んでいる可能性がある。このような波の繰り返しの発生を許すと、集団免疫ができるまで複雑な感染状態が続くことになり、対象の閉鎖領域の変化や集団免疫形成の条件を複雑化する危険性があり危惧される。

 ワクチン接種は、5月に入り医療関係者、高齢者の順に徐々に始まっているが、未だに10パーセントのレベルであり、接種が進んでいるとは言えない状態である。政府は1日100万回の接種を目標に自衛隊を導入し、東京と大阪で集団接種の計画を進め、実施しているが、この調子だと、医療関係者や高齢者の接種完了7月末の予定も難しそうだ。一刻も早く、ワクチン接種者数を増やし、集団免疫の確保を狙う政府の焦りの現れか、各地でそれに関係するトラブルが発生している。このままだと、集団免疫の確保は早くても令和4年の春以降になるだろう。オリンピック開催時期が一つの危険な山場になる可能性が大きい。政府の対策はここでも適切に対応しているとは言えない。

 オリンピックの開催を支持率向上に活用したい菅政権は、「オリンピック開催ありき」を前提に、コロナ禍に対する知識が欠如しているにも関わらず、十分な検討もないまま無謀に開催に向かう行動を進めている。世界のオリンピック関係者は、他国よりも感染者数も少なく日本の首相が開催できると言っているのだから、日本国内ならば安全に開催できるだろうとの期待を頼りに行動している。IOCは事業根性を丸出しに、日本国民の開催に否定的な世論をも無視して、世界や日本のアスリートを利用して、「コロナに打ち勝った証」を主張し、開催に積極的になってきている。それに便乗して、日本の関係者もオリンピックの開催の有無はIOCで決めることであり、IOCが開催すると言っている以上、日本は否定できないという姿勢のもと、無責任に開催必至の姿勢を貫いている。

 現在の世界の感染状態、日本の感染状態を適切に評価し、世界や日本の多くの庶民が日常生活に問題なく喜んでオリンピック開催に参画できるのかどうかなどを検討することもなく、パンデミックを無視して事態を進めている。日本の国民や世界主要国の人達の8割以上が開催は困難であると考えているのに反している。このまま進むと日本の医療体制が破綻し、庶民の「命の選別」が始まる危険性すら起きる。関西圏では既に始まっている。来日する選手やその関係者の感染予防の保証・命の安心も十分ではない。世界の多くの人々を犠牲にしてオリンピックを開催する価値はない。世界の多くの庶民を犠牲にして実施するイベントなどは、地球上からなくしてしまった方がよい。このような現象もグローバリズムが辿り着いた一つの世界の問題である。それに対するリスク管理の無能さは日本の今後の課題である。

 世界のオリンピック関係者、IOC、JOC、組織委員会、日本政府、東京都などの責任者は、残り期間50日足らずになった現時点でも、曖昧で無責任な態度で、どんどん事態を急ピッチに、場当たり的に進めている。安全な大会である立証が未だされていない。日本人の多くの人や東京都民、世界の常識的な人々は理解できずに困惑している。

 このままだと、オリンピック開催の直前に第4波の感染拡大の波が押し寄せ、日本全体が医療体制の問題を含めて、混乱に陥る可能性が大きく、オリンピック史上最悪の事態になることが予想される。政権維持を図りたい政府は形振り構わず、戦略ない感染対策を場当たり的に繰り返し実施していくだろう。庶民は自らの生命を自ら守らなければならない覚悟が必要になる。その後に続くのが第5波、第6波、…、の波である。次々に続く波に苦しめられる事態が濃厚になってきた。更に、令和3年から翌年にかけて混沌とした社会状態が続く可能性もある。この状態が社会に集団免疫ができるまで続くであろう。

 オリンピック開催によって、感染拡大が悪化し、変異ウイルスが蔓延し、第4波、第5波の波に遭遇する事態が生じると、必ず、経済的に困窮する事態が発生する。政府や自治体が進めている感染対策では効果は期待できず、コロナの感染が先行する状態を繰り返すようでは「コロナに制御されている社会」と言っても過言ではない。コロナの行動は人の行動によって決まっている。人の行動を適切に制御できない政府や自治体の愚かさが問題である。政府が国民に信頼されていないからであろう。首都も変異ウイルスに支配されるようになり、一層、感染力を強め、感染範囲も拡大する。これに対しても、適切な対策が実行できていない。政府や自治体を信用していると国民は殺されることになる。

 更に、コロナ危機により、社会的な多くの問題が露わになり、サプライチェーンの問題にまで発展する危険性を感じる。日常生活用品のサプライチェーン、半導体や工業部品のサプライチェーンなどが問題になる。頼みのワクチンもお金があっても調達できない状態になっている。首相は訪米中に確約してきたと言っているが、電話レベルの話し合いが着実に実行されることにはならないだろう。首相の1日に100万件のワクチン接種目標の達成も、自衛隊と旅行会社の共同による集団接種で進めるとの話であるが着実に実行できるかどうか疑問である。最後の頼みのワクチン接種も、ドタバタ騒ぎの進め方で、ワクチンの調達、接種計画、接種体制などの全てにおいて成功するかどうか疑わしい。

 平成30年間の失政が、こんなに日本社会を駄目にしてしまったのかを考えると今後が不安である。自立する能力を失いかけている現政府では、先進国としての日本の存在が危惧される。そのことから考えても、現在の日本社会や日本国ではオリンピックを安全に開催できる国であるという評価はできない。前首相の「皆で頑張れば可能」という言葉も空しく、的確な答えにはならない。いずれにしても、日本国民は「自らの命を自ら守る覚悟」が必要である。

 今秋に実施される国政選挙によって、これらの日本の社会問題に対して、国民がどのような意思表示を表すかが、今後の日本国の進んでいく道を決めることになるであろう。結果によっては、日本列島沈没もある。

 

 昨年来、コロナ危機に遭遇して、我が国が抱える多くの社会問題が赤裸々になってきた。昭和の末期から、平成時代30年の間に、心配していたことであるが、日本の社会は質的にも量的にも劣化した。社会が劣化したことは、日本国民の生活が劣化したことになる。最も大きく劣化したのは、政治的な劣化である。民主主義を理解していない世代の台頭が日本の社会を正しく導けない根源かも知れない。

 民主主義的考え方の劣化が甚だしく、必要以上に権力を行使する傾向が強くなった。欧米の先進国と比較しても、その傾向が種々の面で顕著に現れている。2ヶ月後に迫っているオリンピック開催に関しても、開催国に相応しい国かどうか疑問に感じる。オリンピックを中止する勇気もなくなり、自ら制御する能力も失っているのではないか。これだけの大イベントを成り行き任せで実行すると、随所で綻びが発生し、適切な対処が不能になる。

 オリンピック開催の有無を別にしても、社会が抱える種々の問題を無視することはできない。日本社会の根底に関わる多くの問題が関係するからだ。科学技術力の低下や経済成長力の後退、国民の生活水準の劣化、社会の仕組みの弱体化、政治体制の陳腐化、デジタル化の遅れなど、先進国としての遅れが顕著になってきている。

 今後、これらの諸問題を社会構造の体質改革を推進する課題として捉え、検討を進めなければならない。そのためにも、平成時代30年間の失政を的確に反省し、現在発生しているパンデミックのリスクにも適切に対応できる体制を整備すべきである。そのためには社会の指導層を含めた人事の刷新が不可欠である。

 KMC学習所では、これらの問題に関連する話題を取り上げ、科学技術的な観点や情報技術的な立場から分析し、日本社会の構造的体質問題、経済成長と日本の産業構造の問題、デジタル化社会に関連する問題、デジタル教育に関する問題などについての諸見解に触れてみたい。